今日、昼夜通しで観てきましたが、
観た感じでは「奮闘」という言葉は似合いませんでした。
これは私自身の感覚なのですけどね。

奮闘という言葉には一生懸命とか力一杯とか必死とか
何と言うのかしら、肩に力入るものを感じます。
今月の演舞場には力みは感じませんでした。
別に手を抜いているわけでも、余裕たっぷりというのでもないと思います。

静かな熱気、穏やかな熱さ、安心していられる真剣勝負
ワケ分からない言葉並べてしまいましたが、
とても心地好い空気で、バランスの良さ、抜け感がありました。
悟りというわけでもないのでしょうけどね。

俊寛は今迄観たどの俊寛とも異なる作品に感じました。
以前の勘三郎さん(当時は勘九郎さん)の俊寛より綺麗で
都から来た人であることを感じました。

連獅子は親子のバランスが絶妙。
子が親に食らいついていくではなく
親が子に負けん気を出すわけでもなく
ぶつかり合わない感じ。

文七元結は映画用なのか、台詞が色々増えていました。
わかりやすくしている感じ。
「あ、そうだったの？」
とか
「そういう設定にしたの？」
と思う反面、
「そこまで台詞にしなくても」
とも。
映像になると印象が変わるかしら。

夜の部は新作。
今はなき芸術座のお芝居を観ているような気がしました。
森光子さんが出演なさっているから、というわけでもないと思います。
米倉斉加年さんの雰囲気も、舞台を引き締めていますね。
米倉さんの台詞、どちらかというと私の嫌いな台詞の入れ方だったんです。
でも実際、舞台を観ていて余りイヤではなかったんです。
それは米倉さんの力でしょう。

昼も夜も肩に力をいれず、穏やかに楽しむことができて
心のデトックスができたようです。

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