舞台装置は
八百屋になった階段状の台
反響板の役割も担っていると思われる巨大な壁
でした。
壁のデザインはちょっとうるさく感じました。

「仮面」を意識した演出で、
冒頭から仮面が登場。
真っ白い目から鼻までの仮面です。
仮面を「悪」側の象徴としたようで、
暗殺団のメンバーが冒頭で仮面をつけていました。

ウルリカの場面は、
ウルリカ自身には、それほどのカリスマ性は感じませんでしたし
合唱にもオドロオドロした感じはなかったのですが
アンサンブルへの振付がオカルトちっく。
動いている合唱の芝居加減も実は物足りなかったのですが
それでも秘密結社とかオカルト集団な感じが見えました。

舞踏会の場面の演出は特に見事。
こういう演出があったんだわ～！と目から鱗。

合唱は全員、黒いマントで覆われ、顔は白いマスクと白塗り。
ちょうど死神のよう。
数人の助演(?)がダンスをすることにより、
舞踏会を表現し、死神達は踊る客の影に見えます。
その死神達が動く事によって、
ソリストの重唱場面を額縁絵のように美しく見せていました。

そしてリッカルドへのレクイエムのような合唱場面。
リッカルドを導く天からの光のように見える装置と照りの使い方が
本当に美しく、メロディと溶け合って見えました。

最初の方では、特にどうということもなかったソリストも
後半、どんどん求心力を得て、
素晴らしいアリアを聴かせてくれました。
レナートに泣かされました。
後半これだけ見事なら、前半はどうでもいいわ(^^ゞ

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